誰にでも両親がいます。もちろんあなたにも。そして、両親には両親がいて、その両親にはまた両親がいる。これも当たり前のことですが、もう一度確認しておきたいことなのです。そうやって、両親を遡って行くと祖先というものを考えることになります。
10代遡ると1024人の祖先となります。20代遡ると104万8576人、30代遡ると10億7374万1824人、40代遡ると1兆995億1162万7776人となります。これは、数字だけで書くとよくわからないので図表をつくってみてください。
10代遡るとは、10の10乗になります。自分に親が2人いて、その2人の親にまた2人ずついる、その4人の人にまた2人ずつ親がいると、2を10回かけることになるので、2の10乗です。同じようにして、20代遡るとは、2の20乗になります。さらに、30代遡るとは、2の30乗、40代遡るとは、2の40乗です。
したがって、10代で千、20代で百万、30代で十億、40代で1兆人の先祖がいるということになります。1代で20年として、40代×20年で800年前の1200年、つまり鎌倉時代に1兆人の人口はないので、そのあたりまでいくと日本人はみな兄弟なのかと考えざるをえません。
でも、ここではいったん、3代前まで遡ってみましょう。経営者であるあなたにやってほしいのは、両親(2人)と両親の祖父母(4人)の合計6人の性格を書き出してみることです。6人の強み、弱み、その特徴を3つずつでも書き出してみてください。あなたは誰かに似ているはずです。
生物学的にはそれぞれの血を引き継ぎ、DNAを引き継いでいるはずです(何か、途中で問題が起こっていなければ......ですが)。また、わたしは「桂馬とび」といっているのですが、おじいさんに似ていなくても、おじいさんのお兄さんにとても似ている場合があります。隔世遺伝にちょっと似た感じですが、可能性としてはそういうこともあります。顔が似ている、体つきが似ている、眉が似ているなど身体的なこともあれば、短気なところが似ている、憶病なところが似ている、お金にだらしないところが似ている、など性格的なこともあるでしょう。
家系図をつくることが目的ではないので、あまり詳しく調べなくてもいいのかもしれませんが、とにかく、自分の「出生」「氏素性」「ルーツ」といったものを一度整理しておくことは自分を知るためには必要な項目の一つといえます。