経営理念がないとどうなってしまうのか?

経営理念はどの会社にもあるといえばある、といえます。実際に経営をしているということは、経営理念があるともいえます。「無意識の、強くない、社長が持つ考え」を経営理念といえば、経営理念となるからです。しかし、通常使われる「経営理念」という言葉の本来の意味は、「社長の強い意志」であり、「経営哲学、経営観」「経営の原理原則」というものです。

したがって、経営理念がないと困る3つのことはこれです。

(1)使命感の喪失=経営の目的、企業の存在意義、働く意味がはっきりしないこと
(2)方向性の喪失=どんな会社にしたいのかがわからない、ベクトルが合わないこと
(3)判断基準がハッキリしない=人や部門で判断基準が違うこと

このことにより、次のようなことが起こります。

・使命感がないと、社員の迷いや、もやもや感が多くなりモチベーションが上がらない
・方向性が見えないと、社内外から信用が得られない
・判断基準がハッキリしないと、社員の不信感、不満感が生まれ、モチベーションが下がる

「経営理念なんてなくてもいいよ」と言う人の「経営理念」とは、額に入っているだけの経営理念を指しているのだと思います。そうではなく、ここでいう「経営理念」とは、「会社の使命感、方向性、判断基準」を示すものであり、日常の仕事の中で活かされているものです。「活かされている」というよりも、「経営理念をもとに仕事がされている」と言ったほうがいいのかもしれません。経営理念を実現するために、いまの仕事をしているということです。

もともとは「経営理念」を実現するために、「仕事」があるのであって、「仕事」をするために「経営理念」があるのではないということです。「経営理念」の実現が「目的」であり、「仕事」はそのための「手段」なのです。「仕事」が「目的」であり、「経営理念」の実現が「手段」ではないのです。

「生きる」ために「食べる」のであって、「食べる」ために「生きる」のではないというのと似ています。ちょっと哲学的になってきました。つまり、「目的」をはっきりさせることが大切なのです。そうでないと、なんとなく仕事をして、なんとなく経営をして、なんとなく生きて、そして死んでゆくということになりかねません。

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