「経営の目的とは何なのか?」に対する答えをまとめると、こういえると思います。
(1)人間性の追求
(2)社会性の追求
(3)経済性の追求
前述のように、「『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する』これ以外に、企業の目的はない」と稲盛和夫氏は言います。
これはつまり、(1)人間性の追求(社員の幸せの追求)と、(2)社会性の追求(社会への貢献)といえます。そして、この2つの目的を達成するために必要な手段として、(3)経済性の追求が必要になるのだと思います。
これをもう少しシンプルにいうと、経営の目的とは「社員を幸せにすること」と「社会に役立つこと」なのです。つまり、経営の一番の目的は「社員を幸せにすること」といえます。社員を幸せにすること以外に、経営の目的はないのです。逆の言い方をすると、「会社とは、社員を幸せにするための手段である」と言い換えることができます。また、社員を幸せにすることが経営の目的であれば、社員が幸せでないなら、会社をやめるべきということです。なぜなら、会社の本来の目的から外れているからです。
経営の一番の目的である「社員を幸せにすること」は「社会に役立つこと」で成り立ちます。経営を通じて社会に役立つことで、感謝され、お金がもらえます。そのことによって社員は幸せを感じられるのです。