経営理念を社風にまで高めてゆくやり方

■経営理念を社風にまで高めてゆくやり方


経営理念はつくることが大切なのではなく、経営理念が会社の社風にまでなることが大切なのだと思います。

働く社員全員がブレずにピシっと同じ経営理念を共有している。


同じ信念のもとに働く「同志」となっている。

価値観を共有する仲間になっていることです。


言葉を変えれば、経営理念が会社に浸透しているということです。 

ではそのために必要なやり方はどのようなものがあるのか? ここでも3段階でお話しします。


経営理念を朝5分間唱和する

経営理念の勉強会を定期的にやる(週30分程度)

毎朝、30分以上経営理念について対話する

ここでは、時間数とやり方の2つのポイントがあります。
・時間数は月間合計○時間と決める(朝5分×20日=100分=月間1時間40分)

・やり方は、@唱和する、A講話を聞く、B対話する(話す・聞く)の3通り


脳科学の視点から、脳が一番活性化するのは「対話」です。

聞くだけでは眠くなるばかりで、自分のものになりません。


また、唱和は声を出す分いいのですが、声を出して終りになりがちなので、自分のものになりづらいところがあります。 

対話とは、ある経営理念に基づいて、「自分の意見」を「具体的な仕事」に合わせて話すというところが他の2つとはまったく違います。


「話す」「聞く」という活動は、とても脳を活性化させます。

対話する、コミュニケーションをとる。ここが一番大切なところです。


■経営理念を浸透させる方法(例)


売上が10億円以上、社員が50名、 100名となってきたときに、経営理念をつくるにはいくつかやり方があります。 

まず一つ、部門別でチームをつくり、年齢別、階層別で組み合わせをつくるというような例があります。


横軸に部門、たとえば営業部、製造部、間接部門、検査部門など。 

縦軸に年齢、階層(20代、30代、40代、50代)担当、課長、部長、役員というようなマトリックスをつくり、それぞれの部門から人を選んでチームをつくって経営理念をともに学ぶつくり込むという方法があります。 


また別のやり方では、ジュニアボードというような若手の20代、30代を中心とした経営理念作成チームをつくる。
またはそのチームで勉強するという方法もあります。 

人数が多くなれば、やはりある程度小さいチームでそれをくくり、より多くの頻度で経営理念について学ぶ機会をつくるということが大切になります。


■より具体的なやり方は?


例@ 毎日朝礼で話をする 

5分間、Aさんが経営理念を読み上げ、その内容について話しをする。

それに対して同じ部門・グループの数人(4人〜8人程度)の人からフィードバックをもらう。

つまり、対話=コミュニケーションをとるようなやり方。


例A会議で話をする 

会議をする場合には、その初めに経営理念について唱和をする、または理念の一つの項目について「きょうの経営理念はこれです」と話をするというようなやり方。会議をする場合にも、必ず経営理念について語るという習慣を持つこと。


例B定例勉強会 

月に1回、または年間数回などの勉強会をする。

半日(3〜4時間)の場合、1日(6〜8時間)の場合、1泊2日(10〜24時間)の場合などを組み合わせる。


例C年間での階層別、部門別の勉強会 

1年間の中で、たとえば階層別であれば、担当者レベルの勉強会、課長クラス、部長クラスの勉強会、役員クラスの勉強会というように、役職、階層別に経営理念を学ぶ機会をつくる。

また、同じように部門別でも、営業部門、製造部門、管理部門などの部門別で勉強会を開く。

このように縦と横というような感じで勉強会を開くやり方。


例D社長、役員と各部門 

社長役員が直接、部長クラスまたは課長クラスという「階層」に対して、または「部門」に対して、経営理念についての勉強会を月に1回、1時間やるという仕組みをつくっていくというやり方。


例E朝会での経営理念の運用 

経営理念をただの空理空論というようなものにするのではなく、より実践的にする方法。

朝礼の中で 15分なり30分というある程度の時間をとって、毎日の実務と経営理念について語るというような経営理念の浸透のさせ方。 


具体的にはどういうものかというと、たとえば始業時間が9時であれば 8時半から9時までの間に、経営理念の1つの項目、例えばある項目について、あまり大きくない単位つまり4人から6人程度に分かれ(各部門またはグループ)、そこの中で対話=コミュニケーションをする。 


経営理念の第3項目が「利他の心を持つ」だとしたら、昨日会った実務の出来事を「利他の心を持つ」というテーマに沿ってAさんが1分で話をする。それに対してB、C、Dさんと、参加している人が順番に1分で意見を言う。 


つまり、昨日あった具体的な仕事の中身を、経営理念と照らし合わせた場合に、「私はこれについてはこう思った」「これが参考になった」「こういうふうに反省した」「これはこういうふうに次からはしたいと思う」というような感想や決意を、経営理念をもとに述べるという方法。


■社員全員に経営理念を浸透させるより効果的な方法


例Eのメリットは、ただの説教ではないということです。経営理念を浸透させるとなると、多くの会社が社長が長い時間、説教をするというパターンが多くなります。

実はこれはあまりおすすめしていません。理由は、社員が話を聞いてくれないからです。話す人が、落語の名人でもない限り、黙って聞く人を10分以上もひきつけられません。その解決法がこのやり方なのです。


@小グループA全員参加B1人1分以内=短い時間C話し、聞く
つまり、「小グループ全員参加型、1分間、対話方式」です。通常は、次のように対照的です。


@1対多A社長の独り舞台B社長が1時間=長い時間C聞くだけ
これは、「心理学的」にも「脳科学」の視点からも非常に効果的です。理由は、次のようになります。


・小グループなので自分の存在感がある

・全員参加なので積極的になれる

・1人1分以内の短い時間なので眠くならない

・聞くだけではなく、話し、聞く対話をするので脳が活性化して記憶にも残る


また、日々の仕事と経営理念を結びつけた内容を毎日、話をしていくので、空理空論になりません。実務につながることが一番の学びとなります。 

これは経営理念の勉強でありながら、日常の業務と密接に結びついているので、仕事をしていくうえでの判断基準としての経営理念を身につけるうえで、非常にいいやり方となっているのです。